ー働き方は「自分」で決める(古市憲寿)ー書評かあるいはただの要約か? 

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・前置き

ー働き方は「自分」で決める(古市憲寿)ー

この本はイントロと本文の全六章、補章の構成になっていますが、

本記事では主に第四章と第五章の内容を中心に述べます。

 

第四章から~エリート起業家系中心に~

 

フランスの社会学ピエール・ブルデューは人間の財産を三つに分けれると考えました。

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ピエール・ブルデュー(白黒写真だとかっこいい)

一つ目が、カネ。(ベタですね)

二つ目が、信頼や人脈。(いわゆるコネ)

三つ目が、教養や信頼された習慣。(その人の持っている能力)

本記事では少し真面目と高らかに宣言しましたので、少し難しく友達に鼻高で言える言葉に直すと

一つ目が、経済資本。

二つ目が、社会関係資本

三つ目が、文化資本に相当します。

資本といえばお金を思い起こすのが普通かと思いますが、ここでは文化的なものも含めているので少し新しいと感じる人もいるかもしれません。

しかし、社会の階層を区切るものとして文化が機能していると考えれば、想像することは難しくないですね。

第四章では、社会関係資本が起業(ビジネス)において重要な働きを持っていると主張します。改めて書くと、そんなの当たり前だと思うかもしれません。現に書いてる私自身がそう思っているわけですが、実は安易な自己啓発本よりも本書の方が遥かに役立つ大きな理由の一つなんです。

具体的に言います。

ティージョブズは有名なタートルネックジーパンの愛好家の一人ですが、彼の功績はなんといってもiphoneを世に普及させたことは改めて語る必要もありません。

しかし、アップルを大企業にしたのは年齢が13個上のマイク・マークラの影響が大きいといわています。これは、日本の企業にも当てはまりますね。

ぐりーやDeNAKDDIや大企業からの出資を得ています。

よって、コネといってもただ仲の良い同世代友達のツテだけでなく、年長者との繋がりは若者にとって能力の補完的にも必要だと言えそうです。

ここで、コネ(社会関係資本)について軽い分類を行います。

社会関係資本は、ブリッジ型とボンド型の二つに分けることができ、ブリッジ型とは異質なもの同士の繋がりを指します。

先ほどのスティージョブズとかの話はブリッジ型の社会関係資本になります。

ボンド型は同質なもの同士の繋がりで、同世代の友達とかですかね。

なにも、ブリッジ型の方が悪いとか、ボンド型の方が偉いなんてのはありませんが、この二つはどちらも必要です。

しかし、ボンド型は定義上異質な者同士の繋がりですから、「仲良くなること自体が難しいのではないのか?」そう疑問に思えてきます。

じゃあ、どう繋がるかというと共通する文化体験やその人の持っている価値観で繋がります。

例えば開成学園(名門中高一貫校)では、企業の取締役以上でないと入れない起業家グループなるものがあるらしく、開成OBは「愛校心」で繋がります。特に、生徒主体で行う運動会で年代気にせず盛り上がるらしいです。

へぇ~。

 

~第四章、第五章の適当総括~

 

1.もしかして完璧人間?

 

先の章では、エリート起業家を中心に扱い時折社会学のエッセンスを挟んで展開しました。

ブルデューの三つの資産の分類がありましたよね。

この資産の分類って各々が独立にあるのではなくて、他の資産とある程度関係があると思うんです。

さっき、開成OBの話が出ましたね。

なるほど、彼らは中高の繋がりから異なる分野の取締役とコネを作っている訳ですが、そもそも開成学園に入るだけの学力が必要です。

その学力はどのように養われるのかというと、親の教育への投資(親の経済資本の充実)と本人の才能や努力(文化資本)によって決まりますね。

経済資本と文化資本はリンクし、さらに開成OBの優秀な者同士で繋がります(社会関係資本の充足化)。

よって、すべてのパラメータを満たされると・・・。

こんな話聞いても、自分には遠い事のように思えて臨場感が沸かないなぁ。

 

2.正社員からフリーランスへ?

 

1のところで、才能持っていて実家にも恵まれているとウハウハといいました。

だけど、「私や僕はそんなんじゃない」と多くの人が言うでしょう。

でも、同時に「○○になりたい」と夢を語る。

この○○には何が入るのでしょうか。

 

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出典:調査名:「進研ゼミ小学講座」 ニューノーマル時代の小学生の意識調査ランキング2020
より

 

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p.195 [図2]働き方の4類型を参考に構成した図


小学生の意識調査ランキングを4類型の図に当てはめてみましょう。

すると、非資格型専門職が人気を獲得していることがわかります。

男の子で言えばプログラマーやyoutuber、女の子は芸能人に漫画家などはまさに非資格型専門職に該当し、小学生に限らず多くの若者にとって憧れの対象になっています。

まあ、昔から芸能界とかに憧れる人は多くいると捉えることもできますが、時代の波に対応しているところもあると思います。

かつてのいい高校からいい大学、いい会社という夢や終身雇用雇用などのシステムが機能不全に陥りベタにそのシステムに乗っかろうとしている若者は少なくなっていそうです。

それよりも自分のスキルアップのために会社に入り、いずれ転職や独立を考えているそんな人が多いでしょう。

大企業でしか役立たない固定的なスキルよりも、どこでも役立つスキルへと多くの人が直観的にきずいているわけです。

 

けれど、学歴の価値が廃れたわけじゃないし、この非資格型専門職のルートってのはフリーターとどこが違うかと問われたらあなたの持っている能力をほかの人が買いたいかどうかという線引きです。

それは能力主義のふるいに常にかけられるのだから、ある意味受験紛争よりも過酷な競争をすることでもあるわけですね。

 



 

はい。

 

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